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Trac プラグイン
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バージョン 0.9 以降、 Trac は プラグイン機能 に対応し、組み込み機能を拡張できるようになりました。プラグインの機能は コンポーネント設計 に基づいています。
プラグインはグローバルにもローカルにもインストールすることができます。グローバルにインストールする場合は共有する plugins ディレクトリに配置します (グローバルな設定 を参照してください)。ローカルにインストールする場合は TracEnvironment の plugins
ディレクトリに配置します。
後者でない場合、プラグインで提供されるコンポーネントは trac.ini の [TracIni#components-section| [components] ]] セクションで、明示的に有効化する必要があります。
必要条件
Trac で Python-egg ベースのプラグインを使用するためには、 setuptools (バージョン 0.6) をインストールしなければなりません。
setuptools
をインストールするために、ブートストラップモジュールである ez_setup.py をダウンロードし、以下に示すように実行して下さい:
$ python ez_setup.py
もし ez_setup.py
スクリプトが setuptools のインストールに失敗したら、 PyPI をダウンロードして手動でインストールしてください。
また、単一の .py
ファイルで成り立つプラグインは、各 TracEnvironment かグローバルの plugin
ディレクトリに配置します。
Trac プラグインのインストール
単一のプロジェクト
プラグインは Python eggs としてパッケージ化されています。つまり、拡張子が .egg
となっている ZIP アーカイブのファイルです。
plugin のディストリビューションをダウンロードして .egg
ファイルをビルドしたいのであれば、以下の通りにして下さい:
- ソースをアンパックして下さい。それにより setup.py が提供されるでしょう。
- 以下のようにして実行してください:
$ python setup.py bdist_egg
*.egg ファイルが出力されているでしょう。実行した python の出力を調べて .egg ファイルがどこに作成されたか見つけてください。
一度、プラグインアーカイブを作成したら、 TracEnvironment の plugins
ディレクトリにコピーする必要があります。また、 Web サーバーが egg プラグインを読み取るのに必要なパーミッションをつけてください。必要に応じて Web サーバを再起動してください。
この方法でインストールしたプラグインをアンインストールする場合、 plugins
ディレクトリから egg を削除し、 Web サーバを再起動してください。
Python egg をビルドするための Python のバージョンと Trac を動かしている Python のバージョンが一致しなければなりません。 例えば、 Trac を Python のバージョン 2.5 以前で動かしていて、 2.6 にアップグレードしたときに、 Python egg は認識されなくなるでしょう。
マルチプロジェクトを設定している場合、 Python インタプリタインスタンスのプールはプロジェクトの必要に応じて動的にアロケートされ、プラグインは Pyhton のモジュールシステムの一定の位置を占有しますので、最初にロードされたバージョンのプラグインが、他のすべてのプロジェクトでも使用されます。言い換えれば、マルチプロジェクトセットアップされたプロジェクト間では、あるプラグインの異なるバージョンを使用することはできません。プラグインは (下記の方法で) すべてのプロジェクト向けにインストールし、個々のプロジェクトで有効/無効を設定する方が安全でしょう。
すべてのプロジェクト
単一の .egg ファイル
いくつかのプラグイン (例えば SpamFilter) は .egg
ファイルとしてダウンロードし、 easy_install
プログラムでインストールすることができます:
easy_install TracSpamFilter
もし、システムに easy_install
がなくてプラグインをインストールするには上記の必要条件のセクションを見て下さい。 Windows ユーザは Scripts
ディレクトリを Python をインストールしたディレクトリ (例えば、 C:\Python24\Scripts
) を環境変数 PATH
に加えなければなりません。 (より詳しい情報は、 easy_install の Windows Notes を参照して下さい。)
Zip で固められた Python egg をインストールし、 Web サーバに Python egg のキャッシュディレクトリに書き込み権限をつけているのにも関わらず、 Trac がパーミッションエラーを出したら、解凍した Python egg を単に置き直すことによって回避できます。 easy_install
に --always-unzip
オプションを付けるだけです:
easy_install --always-unzip TracSpamFilter-0.2.1dev_r5943-py2.4.egg
zip で固められた Python egg ファイルと同じ名前のディレクトリ (拡張子が .egg
で終わっているもの) ができ、そのなかに解凍した中身が入っているでしょう。
Trac はまた、 Environment 共通の plugins ディレクトリにインストールされたプラグインを検索します (0.10 以降)。 TracIni#GlobalConfiguration を参照してください。この方法は複数の (しかし全てではない) Environment にまたがってプラグインをインストールする最も簡単な方法になります。
ソースから
easy_install
をソースからインストールする方法を以下に示します。Subversion のリポジトリか、 tarball/zip のソースを引数に与えてください。
easy_install http://svn.edgewall.com/repos/trac/plugins/0.11/spam-filter
プラグインを有効にする
個別の TracEnvironment にプラグインをインストールする場合と異なり、システム全体にインストールしたプラグインを有効にするためには、 trac.ini ファイルで明示的に指定しなければいけません。設定ファイルの [inherit] plugins_dir
オプションに指定した Environment 共通の plugins ディレクトリにプラグインをインストールする場合も同じく、明示的に指定する必要があります。
設定ファイルの [components]
セクションに次のような記載を行えば完了です:
[components] tracspamfilter.* = enabled
オプションの名前はプラグインの Python パッケージ名です。これはプラグインのドキュメンテーションに指定されていなければいけませんが、ソースを見れば簡単に見つけることが出来ます。 (最上位のディレクトリにあるファイル __init__.py
を探してください。)
Note: プラグインのインストール後、 Web サーバを再起動する必要があります。
アンインストール
easy_install
や python setup.py
ではアンインストール機能は提供されていません。しかし、グローバルにインストールされた egg や参照を削除するための簡単な方法があります:
- setuptools でインストールした場合、
easy_install -m [plugin name]
を実行し、$PYTHONLIB/site-packages/easy-install.pth
から参照を削除します。 - 実行可能ファイルを
/usr/bin
,/usr/local/bin
,C:\\Python*\\Scripts
などから削除します。実行可能ファイルが分からない場合、setup.py
の[console-script]
を参照します。 - インストールされた場所 (通常
$PYTHONLIB/site-packages/
配下) の .egg ファイルやディレクトリを削除します。 - Web サーバを再起動する。
egg の場所が分らない場合、探すためには以下の方法を使います (この方法は、どのようなパッケージでも使えます) - myplugin
の箇所は、プラグインのネームスペースで置き換えてください。ネームスペースはプラグインの有効化の時に使用した名前と同じになります。
>>> import myplugin >>> print myplugin.__file__ /opt/local/python24/lib/site-packages/myplugin-0.4.2-py2.4.egg/myplugin/__init__.pyc
プラグインのキャッシュの設定
プラグインは Python eggs のランタイム (pkg_resources
) によって解凍される必要があります。それらの内容がファイルシステム上に実際に存在する必要があるからです。通常は現在のユーザのホームディレクトリの '.python-eggs' に解凍されますが、それにより問題が発生するかもしれません。その場合、環境変数 PYTHON_EGG_CACHE
を設定してデフォルトのロケーションを上書きすることができます。
PYTHON_EGG_CACHE
を SetEnv
ディレクティブを使用して Apache に設定するには以下のようにします:
SetEnv PYTHON_EGG_CACHE /path/to/dir
これは CGI と mod_python のどちらをフロントエンドにしようと動作します。このディレクティブに Trac Environment へのパスに設定し、例えば同じ <Location>
ブロックにおいてください。
例 (CGI用):
<Location /trac> SetEnv TRAC_ENV /path/to/projenv SetEnv PYTHON_EGG_CACHE /path/to/dir </Location>
例 (mod_python用):
<Location /trac> SetHandler mod_python ... SetEnv PYTHON_EGG_CACHE /path/to/dir </Location>
Note: SetEnv を使用するためには、 Apache で
mod_env
モジュールが有効になっている必要があります。mod_python
が設定される Location ブロックでは SetEnv ディレクティブも使用できます。
FastCGI で、 Web サーバに設定するためには、 -initial-env
オプションやサーバーが指定している方法で、環境変数を設定する必要があります。
Note: プロジェクトディレクトリを設定するために、既に -initial-env を使用している場合は、 TracFastCgi に例示されるように、必要に応じて -initial-env ディレクティブを FastCgiConfig ディレクティブに加えてください。
FastCgiConfig -initial-env TRAC_ENV=/var/lib/trac -initial-env PYTHON_EGG_CACHE=/var/lib/trac/plugin-cache
Subversion の フックスクリプトについて
もし、 Trac エンジンを呼び出すような Subversion の フックスクリプト - Trac の配布物の /contrib
ディレクトリで提供されている post-commit フックスクリプトなど - を設定していたら、プラグインと同様にスクリプトの中で環境変数 PYTHON_EGG_CACHE
を定義して下さい。
トラブルシューティング
setuptools は正しくインストールされていますか?
以下のコマンドを実行してみてください:
$ python -c "import pkg_resources"
もし、コマンドラインから 何も かえって来なければ、 setuptools はインストール されています。そうでなければ、 Trac を動かす前に setuptools をインストールする必要があります。
Python egg は正しいバージョンですか?
Python egg はファイル名の中で Python のバージョンをエンコードします。例えば、 MyPlugin-1.0-py2.5.egg
は Python 2.5 用の Python egg であり、異なる Python のバージョン (2.4 や 2.6) で動かそうとしても 動かない でしょう。
また、ダウンロードした Python egg ファイル が本当に ZIP アーカイブであるかどうかを確認して下さい。もし Trac サイトからダウンロードしたとしたら、 HTML プレビューページを代わりにダウンロードしているかもしれません。
プラグインは有効になっていますか?
グローバル領域にプラグインをインストールした場合 (TracEnvironment の plugin
ディレクトリ内 ではなく) 、 trac.ini に明確に有効にする設定をしなければなりません。以下の事項を確認して下さい:
[components]
セクションに必要な行数を追加したか。- パッケージ / モジュール名は正しいか
- 正しい値、 "enabled" になっているかどうか。例えば、 "enable" ではなく。
Python egg ファイルのパーミッションのチェック
Trac は Python egg ファイルを読めなければなりません。
ログファイルのチェック
Trac で logging を有効にし、ログレベルを DEBUG
に設定し、プラグインがロードされるときのログメッセージを見て下さい。
必要な権限を持っていることを確認してください
いくつかのプラグインでは、その機能を使用するために特別な権限を要求します。たとえば WebAdmin では、ナビゲーションバーに表示するためには TRAC_ADMIN 権限が必要になります。
読み込むプラグインのバージョンを間違えていませんか ?
複数のプロジェクトがある場合に plugins ディレクトリにプラグインを置くなら確実に正しいバージョンのプラグインがロードされていることを確認する必要があります。ここにいくつかの基本的なルールがあります:
- 実行中の Trac サーバ (すなわち各々の Python プロセス) にはプラグインの 1 バージョンだけがロードできます。 Python の名前空間とモジュールリストは (プラグインが
有効 (enabled)
になっているか無効 (disabled)
になっているかに関わらず) 全プロジェクトで共有されるでしょう。そしてそれは複製をハンドルすることができません。 - グローバルにインストールされたプラグイン (通常は
setup.py install
) はグローバルな plugins ディレクトリあるいはプロジェクト毎の plugins ディレクトリ内のどんなバージョンも無視するでしょう。グローバルにインストールされたプラグインは、他のどのプラグインよりも前に動作するでしょう。 - Trac サーバが (
TRAC_ENV_PARENT_DIR
セットアップのように) 複数のプロジェクトをホスティングした場合、異なったプロジェクトで異なるバージョンのプラグインを使用していると、どのバージョンのプラグインが使用されるかは不明です。異なるバージョンのプラグインのうちいずれか一つがロードされるでしょう。そしてロードされたプラグインは全てのプロジェクトで共有されます。 Trac は基本的に一番最初にリクエストを受けたプロジェクトからプラグインをロードします。 - Python の site-packages 内に複数のバージョンをリストしておく (すなわち
setup.py install
を使用してインストールする) のは素晴らしいことです。 - setuptools は最も新しいバージョンを確実にインストールします。しかし、複数バージョンのプラグインをグローバルな plugins ディレクトリや、プロジェクト毎の plugins ディレクトリに格納しないでください。 - Trac はプラグインを探すときに バージョン番号、格納された日付などを気にしません。この場合 Trac がどのプラグインを最初に見つけ出すかを確実に指定する方法はありません。
上記のすべてに失敗した場合
plugins に対するログが出力されず、 egg が読み込み可能であり、 Python のバージョンが正しく、 その上で egg がグローバルにインストールされて (そして trac.ini で使用可能に設定されて) いても、なぜかプラグインが動かず、なんのエラーメッセージも表示されない場合は、 IrcChannel で質問してください。
See also TracGuide, プラグイン一覧, コンポーネント設計