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| 209 | == とりあえず使ってみよう == |
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| 211 | 蘊蓄はこれぐらいにして、とりあえず C 言語で何かプログラムを書き、それを動かしてみることにしましょう。 |
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| 213 | === コンパイラを用意する === |
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| 215 | C 言語で書いたプログラムを動かすには、コンパイラが必要です。 UNIX ライクな環境では GCC を用いるのが一般的です。 Windows 環境の場合、恐らく最もポピュラーなのは Microsoft Visualo Studio の Express 版ですが、 MinGW や Cygwin などの UNIX ライクな環境を提供するプロジェクトも存在します。 |
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| 217 | * Windows で Visual Studio の Express 版を利用する場合 |
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| 219 | [http://www.microsoft.com/japan/msdn/vstudio/express/ Microsoft Visual Studio Express] のサイトから、 Visual C++ 2010 Express をダウンロードし、インストールします。 C++ となっていますが、 C 言語も扱えるのでまったく問題ありません。 |
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| 221 | Visual Studio は統合開発環境 (IDE) になっているので、変数名などを補完してくれる便利なテキストエディタや、ファイルをまたいだ検索機能、グラフィカルなデバッガなどもセットでついてきます。非常に便利です。 |
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| 223 | * Windows で Cygwin や MinGW を利用する場合 |
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| 225 | Microsoft 的なものを好きになれない人や、クロスプラットフォームでの開発を前提にしており GCC に慣れておきたい人などは、 Cygwin や MinGW の導入を検討してみるのも良いでしょう。 |
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| 227 | Cygwin を導入する場合は、 [http://www.cygwin.com/ Cygwin Installation and Information] のサイトでインストーラをダウンロードし、実行して下さい。デフォルトの構成だといろいろと歯抜けなので、構成が表示されたらツリーのトップをクリックして「Install」とし、全部インストールするようにした方がよいでしょう。ただし、インストールに非常に時間がかかりますが…。 |
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| 229 | MinGW を導入する場合は、 [http://sourceforge.net/projects/mingw/files/ SourceForge.net の MinGW ダウンロードサイト]にて、「Download Now!」ボタンをクリック (または「Automated MinGW Installer」→「mingw-get-inst」→「mingw-get-inst-''yyyymmdd''」→「mingw-get-inst-''yyyymmdd''.exe」の順に選択) してインストーラをダウンロードし、実行して下さい。デフォルトの構成では C コンパイラのみの構成の GCC のみがインストールされます。 MinGW の GCC は Windows のコマンドプロンプトからでも扱うことはできますが、他の言語のコンパイラや UNIX ライクなターミナルが欲しい場合は、構成ツリーが表示されたところで該当するコンポーネントにチェックを入れて下さい。 |
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| 231 | * Linux や *BSD、 Solaris、 Mac OS X などの UNIX ライクな OS を利用する場合 |
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| 233 | 多くの UNIX 風環境においては、 GCC などのコンパイラが最初からインストールされています。まずはターミナルから cc コマンドか gcc コマンドを、 --version などのオプションをつけて入力してみて下さい。 |
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| 235 | コマンドが見当たらないようであれば、 GCC をインストールしましょう。 Linux の場合、使用しているディストリビューションがサポートする方法に従ってインストールして下さい。例えば RedHat や Fedora 、 CentOS などの場合は Yum を、 Debian や Ubuntu など (それから何故か Vine も) の場合は apt-get や aptutil を (特に Ubuntu の場合はよりグラフィカルなパッケージ管理ユーティティが利用可能であるはず) それぞれ利用します。 Slackware 系の場合はディストリビューションのポータルサイトからリンクされているミラーに直接アクセスし、書庫ファイルをダウンロードして展開し、説明が書かれたテキストファイル (多分 INSTALL ファイル) の指示に従ってインストールを行って下さい。 |
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| 237 | *BSD の場合は、新しいバージョンの GCC が欲しいのであれば、 port を利用して下さい。… port が利用できると言うことは、恐らく GCC などのコンパイラも既にインストールされているのでしょう。 Gentoo Linux の場合も同様ですね。 |
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| 239 | Mac OS X の場合は、[http://developer.apple.com/technologies/tools/xcode.html Xcode] をダウンロードし、インストールして下さい。 Xcode は Visual Studio と同様の統合開発環境 (IDE) ですが、これをインストールすることで GCC も一緒にインストールされます。 |
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| 241 | それ以外の OS の場合は、 GNU プロジェクトの [http://gcc.gnu.org/install/binaries.html Installing GCC: Binaries] のページからリンクを辿ってダウンロード、インストールを行って下さい。 |
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| 243 | === コンパイルと実行 === |
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| 245 | Hello World プログラムは既に例示しましたが、 |
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| 247 | {{{ |
| 248 | #include <stdio.h> |
| 249 | |
| 250 | int main() |
| 251 | { |
| 252 | printf("Hello World!\n"); |
| 253 | return 0; |
| 254 | } |
| 255 | }}} |
| 256 | |
| 257 | このプログラムをコンパイルして、実際に動かしてみましょう。 |
| 258 | |
| 259 | * Windows で Visual Studio を利用する場合 |
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| 261 | Visual Studio を起動し、「新規プロジェクトを作成」で「コンソールアプリケーション」を選択し、適当なプロジェクト名でプロジェクトを作成しましょう。 |
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| 263 | 次に、ソリューションエクスプローラにて、プロジェクト名を右クリックし、「追加」→「新しい項目…」を選択して、「空の C コードファイル」を選択し、ファイル名を「test.c」として「追加」ボタンをクリックします。 |
| 264 | |
| 265 | 空のテキストファイルがエディタに表示されるので、上記のサンプルプログラムをコピー&ペーストし、 Ctrl + F5 キーを押すと、ファイルが保存され、コンパイルが行われ、そしてプログラムが実行されます。 |
| 266 | |
| 267 | * GCC を利用する場合 |
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| 269 | テキストエディタを用いて上記のサンプルプログラムをコピー&ペーストし、ファイル名「test.c」で保存します。 |
| 270 | |
| 271 | 次に、ターミナル (コマンドプロンプト、またはシェル) にて、 cd コマンドで test.c を保存したディレクトリに移動してから、以下のコマンドを実行します。 |
| 272 | |
| 273 | {{{ |
| 274 | $ gcc test.c |
| 275 | }}} |
| 276 | |
| 277 | すると、同じディレクトリに a.out というファイルが生成されます。そこで、 |
| 278 | |
| 279 | {{{ |
| 280 | $ ./a.out |
| 281 | }}} |
| 282 | |
| 283 | とタイプすると、プログラムを実行できます。 |
| 284 | |
| 285 | 実行ファイルのファイル名を指定したい場合は、 -o オプションを指定します。 |
| 286 | |
| 287 | {{{ |
| 288 | $ gcc -o test test.c |
| 289 | $ ./test |
| 290 | }}} |
| 291 | |
| 292 | Windows の場合、余計に拡張子 .exe がついた名前のファイルが生成されます。 |
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